お盆を前にして、少し時間が空きましたので、何か映画でも見るかと、ネットであれこれ検索掛けていましたら、ちょっと気になる映画。しかも、銀座シネパトスでの上映。この映画館、非常にレトロな感じで古い銀座の面影を残しているところが気に入っています。
この物語は、原爆により母・子ども・孫と3世代にわたり、大きな重荷を負わされた家族の物語。前半は、原爆投下後10年経った広島が舞台。後半は、当時小さかった息子が、定年を迎え退職するという現代が舞台となっている。特に後半は現代と過去とをいったり来たり・・。論理的というより、感覚的に紡ぎ出された作品かもしれない。
折しも世の中は、広島・長崎の被爆記念日を過ぎ、終戦記念日に向かおうとしている、暑い日が続く夏。日本人であれば誰しもが、多かれ少なかれ戦争について考える義務を背負っている、夏。個人的には、父方・母方の親戚は少し離れたところに住んでいるので、戦争のことについて聞かされたこともない。
私にとって、第二次世界大戦というのは、少し前に亡くなった職場の所属長のお話だったのかもしれない。彼は、少年飛行隊の訓練生として、基礎過程を終えてようやく一人で戦闘機を操縦できるといった矢先、満州に派遣され、そのまま終戦。シベリアでの抑留生活を送ったのだそうだ。何事にも実直、ひたすら真面目、彼の生活信条は「眼横鼻直(がんのうびちょく)」(眼は横に、鼻は真っ直ぐに。奇をてらわない、やるべき事をやるだけ)だった。経済成長のまっただ中、周囲からは無能呼ばわりをする者もいた、でも、彼の生活信条は変わらなかった。聞くところに寄ると、彼の生活信条は、極寒の地のシベリアで抑留されたときの体験から形成されたとのこと。
実際に体験しないものは、本質的にはやはり理解できないものなのだろう。今日の映画の、被爆二世三世の苦しみも、当事者でなくてはとうてい理解できないものなのだろう。いつか戦争の悲惨さは忘れ去られて、軍事力増強・海外派兵などという日もやってくるのだろう。けれど、できることならばその日をなるべく先に延ばす努力は、来るべき子どもの世代のためにしなくてはならない。